こんにちは、トトロ兄さんです。
今回は、「ASRock DeskMini B660」に搭載する第12世代Coreはどれが良いか検討した話です。
DeskMini B660 の CPUは?
「ASRock DeskMini B660 ベアボーン」に第12世代Coreを搭載する場合、どのCoreを搭載するのがベストなのか?
第12世代CoreのNUCが発売されない状態で、「ASRock DeskMini B660 ベアボーン」で初めてパソコンを組み立てようとすると迷ってしまいます。
そこで、「ASRock DeskMini B660 ベアボーン」に搭載するCPUということで考えてみました。
※第13世代Coreを搭載する場合は、こちらの記事↓↓↓をごらんください。
TDP65WのデスクトップCPUを選択
「ASRock DeskMini B660 ベアボーン」に搭載するCPUは、「TDP65WのデスクトップCPU」が大前提となります。
具体的には、
CPU | Pコア | Eコア | スレッド数 | 最大周波数(GHz) |
i9-12900 | 8 | 8 | 24 | 5.1 |
i7-12700 | 8 | 4 | 20 | 4.9 |
i5-12600 | 6 | 0 | 12 | 4.8 |
i5-12500 | 6 | 0 | 12 | 4.6 |
i5-12400 | 6 | 0 | 12 | 4.4 |
i3-12300 | 4 | 0 | 8 | 4.4 |
i3-12100 | 4 | 0 | 8 | 4.3 |
を搭載することになります。
一般的には、
Core i9、Core i7は、ハイエンドモデル
Core i5、Core i3は、ミドルエンドモデル
Pentium、Celeronは、ローエンドモデル
という位置付けです。
ただ、第12世代Coreの最大の特徴は、10nm Enhanced SuperFinプロセスで製造されていて、Pコア(高性能コア)とEコア(高効率コア)という2種類のコアを組み合わせたハイブリッドCPUになっています。
ただし、すべてのCPUがPコア(高性能コア)とEコア(高効率コア)の両方を搭載しているわけではなく、Core i9、Core i7は両方搭載していますが、Core i5、Core i3はPコアのみとなっています。
ノートパソコンの第12世代Coreについて書いた記事になりますが、Pコア(高性能コア)とEコア(高効率コア)をマラソン選手にたとえた場合、あるいは、アプリを複数使用した場合、どのようにPコアとEコアが動作するのか、分かりやすく具体的に解説しています。
気になる方は、こちらの記事↓↓↓もあわせてお読みください。
第12世代Coreのベンチマークを確認する
ベンチマークで比較してみましょう。
1.Cinebench R23のSingle-Coreのスコア
ゲームやアプリケーションの起動などは、Single-Coreの数字が大きく影響します。
CPU | CR23(Single) | CR23(M) | PassMark | 3DMark |
i9-12900 | 1988 | 26455 | 36565 | |
i7-12700 | 1862 | 21568 | 31137 | 15097 |
i5-12500 | 1804 | 12974 | 20434 | 9601 |
i3-12100 | 1658 | 8443 | 14508 | |
i9-11900 | 1630 | 23035 | 11906 | |
i5-12400 | 1623 | 12454 | 19335 | 9351 |
i7-11700 | 1545 | 14327 | 19345 | 11104 |
i5-11600 | 1508 | 18247 | ||
i5-11500 | 1492 | 17635 | 8307 | |
i5-11400 | 1402 | 10155 | 16813 | 8224 |
i5-12600 | 20726 | |||
i3-12300 | 14955 |
空欄の部分は、検証されていません。
第11世代と第12世代の違いを、Core i9で比較すると「1988÷1630=1.22倍」、Core i7で比較すると「1862÷1545=1.21倍」、Core i5の12500と11500を比較すると「1804÷1492=1.21倍」です。
シングルコアの数値を比較すると、第12世代Coreの数値の高さに驚きます。
2.Cinebench R23 (Multi-Core)のスコア
動画処理系や複数アプリの実行に強いマルチスレッド性能を計測します。
CPU | CR23(Multi) | CR23(S) | PassMark | 3DMark |
i9-12900 | 26455 | 1988 | 36565 | |
i7-12700 | 21568 | 1862 | 31137 | 15097 |
i7-11700 | 14327 | 1545 | 19345 | 11104 |
i5-12500 | 12974 | 1804 | 20434 | 9601 |
i5-12400 | 12454 | 1623 | 19335 | 9351 |
i5-11400 | 10155 | 1402 | 16813 | 8224 |
i3-12100 | 8443 | 1658 | 14508 | |
i9-11900 | 1630 | 23035 | 11906 | |
i5-12600 | 20726 | |||
i5-11600 | 1508 | 18247 | ||
i5-11500 | 1492 | 17635 | 8307 | |
i3-12300 | 14955 |
空欄の部分は、検証されていません。
第11世代と第12世代の違いを、Core i7で比較すると「21568÷14327=1.51倍」、Core i5の12400と11400を比較すると「12454÷10155=1.23倍」です。
マルチコアも、第11世代Coreに比べて数字が伸びています。特にCore i7の伸びが大きいです。
3.PassMarkのスコア
PassMarkは、重い計算処理や動画のレンダリングを行うなど、CPUの総合的な性能を評価しています。
CPU | PassMark | 3DMark | CR23(S) | CR23(M) |
i9-12900 | 36565 | 1988 | 26455 | |
i7-12700 | 31137 | 15097 | 1862 | 21568 |
i9-11900 | 23035 | 11906 | 1630 | |
i5-12600 | 20726 | |||
i5-12500 | 20434 | 9601 | 1804 | 12974 |
i7-11700 | 19345 | 11104 | 1545 | 14327 |
i5-12400 | 19335 | 9351 | 1623 | 12454 |
i5-11600 | 18247 | 1508 | ||
i5-11500 | 17635 | 8307 | 1492 | |
i5-11400 | 16813 | 8224 | 1402 | 10155 |
i3-12300 | 14955 | |||
i3-12100 | 14508 | 1658 | 8443 |
空欄の部分は、検証されていません。
第11世代と第12世代の違いを、Core i9で比較すると「36565÷23035=1.59倍」、Core i7で比較すると「31137÷19345=1.61倍」、Core i5の12600と11600を比較すると「20726÷18247=1.14倍」です。
PassMarkでも、第12世代の「i9-12900」と「i7-12700」の高スコアが目立ちます。EコアのないCore i5の伸びが低くなっています。
4.3DMarkのスコア
ゲーム用としてパソコンを使う場合に、参考になります。
CPU | 3DMark | PassMark | CR23(S) | CR23(M) |
i7-12700 | 15097 | 31137 | 1862 | 21568 |
i9-11900 | 11906 | 23035 | 1630 | |
i7-11700 | 11104 | 19345 | 1545 | 14327 |
i5-12500 | 9601 | 20434 | 1804 | 12974 |
i5-12400 | 9351 | 19335 | 1623 | 12454 |
i5-11500 | 8307 | 17635 | 1492 | |
i5-11400 | 8224 | 16813 | 1402 | 10155 |
i9-12900 | 36565 | 1988 | 26455 | |
i5-12600 | 20726 | |||
i5-11600 | 18247 | 1508 | ||
i3-12300 | 14955 | |||
i3-12100 | 14508 | 1658 | 8443 |
空欄の部分は、検証されていません。
第11世代と第12世代の違いを、Core i7で比較すると「15097÷11104=1.36倍」、Core i5の12500と11500を比較すると「9601÷8307=1.16倍」です。
Core i7-12700 (第12世代)と Core i9-11900(第11世代)を比較すると、「15097÷11906=1.27倍」となります。
「i9-12900(第12世代)」の数字が検証されていないので残念ですが、当然「i7-12700(第12世代)」より高スコアだと予測できます。
また、「i7-12700(第12世代)」が第11世代Coreの「i9-11900」を突き放しているので、「i7-12700(第12世代)」のコストパフォーマンスの高さが理解できます。
ASRock DeskMini B660のおすすめCPUは?
これまでのベンチマークの数字から、おすすめのCPUを順番に見ていきましょう。
第1位 Intel Core i7-12700
Intel Core i7-12700 BX8071512700
価格的には高価ですが、価格に見合った体験ができるでしょう。
ビデオカードを載せないパソコンでゲームをするなら、この組み合わせです。動画編集もばっちりです。
第2位 Intel Core i5-12600
Intel Core i5-12600 BX8071512600
Pコアのみ搭載なので残念ですが、それでも「Core i5」の最上位機種として「PassMark」で数字を残してくれています。
「i5-12600」、「i5-12500」、「i5-12400」ともよく似た性能なので、次の一覧を参考に検討してもらえればと思います。
i5-12600 | i5-12500 | i5-12400 | |
Pコア | 6 | ||
Eコア | 0 | ||
スレッド | 12 | ||
動作クロック | 3.3GHz | 3.0GHz | 2.5GHz |
TurboBoost | 4.8GHz | 4.6GHz | 4.4GHz |
キャッシュ | 18MB | ||
内蔵GPU | UHD G770 | UHD G730 | |
TDP | 65W |
Intel Core i5-12500 BX8071512500
Intel Core i5-12400 BX8071512400
第3位 Intel Core i9-12900
Intel Core i9-12900 BX8071512900
高価なのが最大のネックですが、予算に余裕があればぜひ購入したいです。
第12世代Coreの最大の特徴である、PコアとEコアを搭載しているので、ベンチマークの結果も素晴らしいです。
参考までに、「Core i9-12900」と「Core i7-12700」の比較表を掲載します。
i9-12900 | i7-12700 | |
Pコア | 8 | 8 |
Eコア | 8 | 4 |
スレッド | 24 | 20 |
Pコア 動作クロック | 2.4GHz | 2.1GHz |
Pコア TurboBoost | 5.0GHz | 4.8GHz |
Eコア 動作クロック | 1.8GHz | 1.6GHz |
Eコア TurboBoost | 3.8GHz | 3.6GHz |
TurboBoostMAX3.0 | 5.1GHz | 4.9GHz |
キャッシュ | 30MB | 25MB |
PCIe 5.0 | レーン数 16 | |
PCIe 4.0 | レーン数 4 | |
メモリ | 128MB | |
内蔵GPU | UHD G770 | |
TDP | 65W |
参考 Corei3
最後に、ネットおよびオフィス専用のパソコンを組み立てるのであれば、Corei3で割り切っても良いでしょう。
安価に組み立てるのであれば、Corei3で決まりです。
i3-12300 | i3-12100 | |
Pコア | 4 | |
Eコア | 0 | |
スレッド | 8 | |
動作クロック | 3.5GHz | 3.3GHz |
TurboBoost | 4.4GHz | 4.3GHz |
キャッシュ | 12MB | |
内蔵GPU | UHD G730 | |
TDP | 60W |
Intel Core i3-12100 BX8071512100
「Intel Core i3-12300」も製品としてあるのですが、ほとんど流通していません。
Core i3 で組み立てるのであれば、「Intel Core i3-12100」になるでしょう。
安価でおすすめです。
まとめ
「ASRock DeskMini B660 ベアボーン」に搭載するCPUということで確認してきました。
繰り返しになりますが…。
第12世代Coreの特徴を最大限に活かすのであれば、無理をしてでも良いのでPコアとEコアの両方を搭載した「Intel Core i7-12700」を手に入れることをおすすめします。
ただ、どうしても難しいということであれば、「Core i5」の3種類の中から、購入時の価格に応じてコストパフォーマンスの一番良い製品を選択されるのが良いでしょう。
「Core i9-12900」の性能は文句なしですが、コストパフォーマンスは良くありません。
しかし、小型パソコンで超最速がほしい、持ちたい、有無を言わず1番がほしい、そんな方におすすめです。
思い切った価格を払っただけの満足感が得られることでしょう。
「ASRock DeskMini B660 ベアボーン」を組み立てる場合、一番重要な選択がCPUです。
1度組み立てると、まず変更しないでしょう。
「ASRock DeskMini B660 ベアボーン」は、2022年7月15日に発売になりました。
組み立てると最低2年間は使うパソコンになります。
だからこそ、慎重に選択し、「自分が一番ほしいCPU」をぜひ搭載してもらいたいと思います。
「自分が一番ほしいCPU」を搭載することで、最高の満足度が得られると思います。
ぜひ、自分にとって「最高のパソコン」を組み立ててみてください。
ということで、「ASRock DeskMini B660 ベアボーンに搭載する第12世代Coreはどれが良いか比較してみた話」でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今回の記事が、皆さんに少しでもお役にたてれば幸いです。
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