こんにちは、トトロ兄さんです。
今回は、ノートパソコン用のCPUである第12世代Coreの話です。
ノートパソコンの買い替えどきを教えて!
Windows11になったので新しいノートパソコンがほしい。
どのパソコンがいいの?
次から次と新しいパソコンが発売されるので、買い替えどきが分からない。
身近な方とパソコンの話をしていると、よくそのような声を聞きます。
そこで、CPUを中心にそんな疑問にこたえたいと思います。
10年に1度の大革命!
2022年発売の第12世代Coreを搭載したノートパソコンは、10年に1度の大革命のCPUを搭載したノートパソコンです。
10年に1度の大革命とはどういうこと?
何がすごいの?
そう思いますよね。
ズバリ申し上げましょう!
2022年発売の第12世代CoreのCPUは、
・コアがPコアとEコアのハイブリッド仕様になった!
・メモリがDDR5とDDR4の両方に対応
この大きな2つの特徴があるのです。
特に最初のハイブリッド仕様になったメリットは大きく、具体的には、性能重視のPコア(Performanceコア)と電力効率重視のEコア(Efficientコア)というように、作業の優先度に応じて、2つのコアが役割を分けて処理をすることで、マルチタスクの処理性能が飛躍的に向上したのです。
しかも、2015年頃から登場したDDR4からDDR5に変更になり、メモリの速度も向上しました。
これらの大きな2つの特徴からも、新しいノートパソコンの購入を検討されるのであれば、第12世代Coreを搭載したノートパソコンの購入をおすすめします。
新しいノートパソコンだからといって、必ずしも第12世代Coreを搭載している訳ではありません。
2022年に発売されたノートパソコンの中には、第11世代Coreを搭載したノートパソコンもあります。
なので、購入する場合、搭載されているCPUのコアの型番を必ず確認して、何世代目のCPUなのか把握した上で、購入するようにしましょう。
安易に新商品だから第11世代Coreでもいいだろうと思わないで、第12世代Core搭載のパソコンを選択するようにしましょう。
では、なぜ第12世代Coreにこだわるのか、その理由となる第12世代Coreの具体的な特徴について、次の項目から解説します。
作業の優先度に応じて2種類のCoreが役割分担!
第12世代Coreの最大の特徴は、ハイブリッド・アーキテクチャーを採用していることです。
つまり、性能重視のPコア(Performanceコア)と電力効率重視のEコア(Efficientコア)を採用しているのです。
実際の作業内容は、こんな感じです。
Pコア(性能重視コア・従来のCoreシリーズ系統コア)
・シングルスレッドや並列度の低い作業に最適化
・ゲームや生産性向上アプリケーションで高い性能を発揮
Eコア(電力効率重視コア・従来のAtomシリーズ系統コア)
・並列度の高い作業に最適化
・バッググラウンドタスク管理により、割り込み頻度低減させる
したがって、基本的にはユーザーがメインで使っているアプリ(優先度高)の処理をPコアが、バッググラウンド(優先度低)の処理をEコアが行います。
実際、第12世代Coreはどのように動くのかというと、振り分け作業を行うため第12世代Coreには「スレッド・ディレクター」という機能が搭載されています。
この「スレッド・ディレクター」は、ナノ秒単位の精度でスレッドごとに実行中の命令を解析(ハードウエアモニタリング機能)してWindowsに伝達します。
すると、Windowsは、第12世代Coreのハードウエアモニタリング機能による各コアの使用率などの情報をもとに、処理をPコアとEコアに適切に振り分けるのです。
その結果、基本的には優先度の高いスレッドの処理をPコアが、優先度の低いスレッドをEコアが行うのです。
よって、Eコアに余裕がある場合、優先度の高い処理をPコアとEコアの両方に割り当てられる場合もあります。
以上のことから、第12世代Coreは、かつてないほど性能が向上したのです。
第11世代Coreと比較しても別格なのです。
第11世代Coreと第12世代Coreのベンチマークを比較する
では、どれくらい性能が向上しているのでしょうか。
ベンチマークでチェックしてみましょう。
比較したのは、第11世代Coreの「i7-1165G7」と第12世代Coreの「i7-1260P」です。
まずは、「CINEBENCH R23」ベンチマークです。
シングルコアも伸びていますが、マルチコアのスコアの伸びが素晴らしいです。
8939÷6054=約1.48倍です。
すごく驚異的な伸びです。
次に、ビジネスアプリのベンチマークです。
比較的軽いWordのベンチマークの伸びはそれほどではありませんが、Excelのベンチマークの伸びは、素晴らしいものがあります。
Excelの伸びは、 23267÷14412=約1.61倍です。
PowerPointは、15425÷8425=約1.83倍です。
これだけスピードアップすると、サクサクですね。
最後に、動画・写真の編集のベンチマークです。
マルチコアの処理が向上したというのは、間違いないと分かってもらえるでしょう。
前世代のCoreと次の世代のCoreの差が、約1.5倍にもなる世代交代は、まさに「10年に1度の大革命!」なのです。
よって、「1つ前の世代の第11世代Coreだけど、新商品のパソコンだからいいだろう」と安易に思わないでほしい、と書いた意味が分かってもらえたでしょうか。
これから新しいパソコンを購入するのであれば、ぜひとも第12世代Core搭載のパソコンを購入することをおすすめします。
ハイブリッド・アーキテクチャーを理解する
ここで、さらに突っ込んで、「ハイブリッド・アーキテクチャー」をより深く理解しましょう。
もう一度、PコアとEコアの作業内容を掲載します。
Pコア(性能重視コア・従来のCoreシリーズ系統コア)
・シングルスレッドや並列度の低い作業に最適化
・ゲームや生産性向上アプリケーションで高い性能を発揮
Eコア(電力効率重視コア・従来のAtomシリーズ系統コア)
・並列度の高い作業に最適化
・バッググラウンドタスク管理により、割り込み頻度低減させる
PコアとEコアをマラソン選手でたとえると、次のようになります。
Pコア(パフォーマンス重視)=短距離走者
Eコア(電力効率重視)=長距離走者
Pコアは短い時間に最大限の力を発揮する短距離走者のようなもので、Eコアは長い時間安定した力を発揮する長距離走者にたとえられます。
そして、第12世代Coreは、これらの特性の違う2つのコアを効率的に使うことで、今までにない性能を発揮しているのです。
効率的に使うとは、どういうことでしょうか?
例えば、何かメインで作業をしている時に、突然ウイルススキャンが始まって、急に動作が重くなったという経験はありませんか?
すごいストレスですよね。
本当は目の前の作業を早く処理したいのに、急にパソコンが重くなって、ストレスを感じます。
しかし、第12世代Coreは、ハイブリッド・アーキテクチャーを利用して、Windowsと連携して、ユーザーが一番に優先させたい作業をPコアで迅速に処理し、優先度の低い作業はEコアで処理をさせるので、ユーザーは不要なストレスを感じないで作業を続けることができるのです。
そのPコアとEコアに賢く役割分担を行わせるのが、「スレッド・ディレクター」という第12世代Coreに搭載されている機能で、しかも、いったん振り分けたら振り分けっぱなしというわけではなく、状況に応じて、振り分けをし直してくれるのです。
常に監視し、振り分けをし直してくれることで、ユーザーはストレスを感じることがなくなるのです。
すごいですよね。
例をあげて説明します。
基本は、ユーザーがメインにしているウインドウの処理はPコアが、バッググラウンドの処理はEコアが行います。
なので、Pコアで動画再生をしている途中にウイルススキャンが始まってもEコアが処理をするので、動画の再生には影響がありません。カクカクすることがないということです。
また、Pコアで動画をエンコードしている最中にビデオ会議が開始になった場合、メインのビデオ会議にPコアが振り分けられて、動画のエンコードはEコアに振り分け直されるのです。
さらに、Pコアが軽い作業を処理している場合は、電力の無駄遣いになるので、Eコアに振り分け直されます。
逆に、Pコアに処理が集中してEコアに余裕がある場合は、Pコアの補助としてEコアを使用する場合もあります。
以上のように、PコアとEコアを効率よく使うための機能が「スレッド・ディレクター」という機能なのです。
そこで、気になるのが、Windowsと連携して動作するということですが、Windows11では当然動作するとして、Windows10ではどうなの?という疑問です。
大丈夫です。
Windows10もWindows11も両方とも対応しています。
ひと安心ですね。
ここ最近のパソコンの使い方として、1つのアプリで集中的に作業をすることよりも、複数のアプリを同時に立ち上げて作業をするマルチタスクがメインとなっています。
第12世代Coreは、まさにそのようなマルチタスクの利用環境に適したCPUだということが分かってもらえたと思います。
ここで、Coreの簡単な構成図を見てみましょう。
下の図を見てもらえば、第11世代Coreと同じクラスの第12世代Coreを比較した場合、Core数が増えていることが分かるので、かつてないほど性能が向上するのも納得できます。
第12世代Coreがお買い得で、高性能が発揮されるのも納得ですね。
第12世代Coreのラインアップは?
第12世代Coreが、本当に、マジで、革命的な進化のCPUだということが分かりました。
では、第12世代Coreは、どんなラインアップになっているのでしょうか。
まずは、使用される用途に応じて、3種類に分けられています。
Hシリーズ:ウルトラハイエンドパソコン向け(ゲームおよびプロの動画編集用)
Pシリーズ:高性能パソコン向け(スタンダードな据え置き型のノートパソコン用)
Uシリーズ:モバイルパソコン向け(ファンレスのノートブック用)
そのうえで、
Core i9、Core i7は、ハイエンドモデル
Core i5、Core i3は、ミドルエンドモデル
Pentium、Celeronは、ローエンドモデル
という位置づけになっています。
ノートパソコン用の第12世代Coreのおもなラインアップは、次のようになっています。
上位になるほど搭載コアが多くなります。
また、最上位のHXシリーズ(ベースクロック55W)は、オーバークロックにも対応していますが、ゲーミングのノートパソコン用なので、市場に出回るのごくわずかです。
この表で、しっかりと理解してほしいことは、同じCore i7やCore i5といっても、PシリーズとUシリーズでは、Pコアの数が倍違うということです。
PシリーズのCore i7やCore i5はPコアが4個ですが、Uシリーズは2個なのです。Eコアの数は同じです。
よって、パソコンのスペック表でCPUを見たときに、Core i7とかCore i5と書いてあっても、PシリーズなのかUシリーズなのか、しっかり把握する必要があるのです。
Uシリーズは、処理のメインとなるPコアの数が、Pシリーズの半分しかない。なので、ベースクロックの消費電力もPシリーズの約半分程度で済んでいる。よって、13.3型以下のモバイルパソコンなどは、Uシリーズを搭載することで、バッテリーの持ちを長くしようとしていることがわかります。
なお、性能重視のPコア(Performanceコア)は、1コアで2つのスレッドを同時に処理するハイパースレッディングに対応しますが、電力効率重視のEコア(Efficientコア)は非対応です。
その結果、スレッド数にも違いが出ています(例:Eコア4つでPコア8の場合、Pコア4×2+Pコア8=16スレッドとなります)。
スレッドとは、連続して実行される1本の命令の流れのことで、平行処理をしない場合、1つのプログラムは1つのスレッド(シングルスレッド)で命令を順番に実行します。
また、同じUシリーズでも、ベースクロックの消費電力が15Wと9Wの2種類があります。9Wの場合、消費電力が更に抑えられているのです。その違いは何か。
同じUシリーズでも、消費電力が少ない分、Pコアのベースクロックが低く抑えられているのです。ベースクロックが低いということは、当然ですが処理速度も遅くなります。
なるほど、そういうことか。分かってもらえたでしょうか。
単純に、Corei7だから性能重視、Corei5だからコストパフォーマンスが高いという思い込みだけで判断するのではなく、Core i7とかCore i5とかいう名前も、PシリーズやUシリーズの中でのクラス分けでしかないということを理解して、パソコンのスペック表をチェックするようにしましょう。
Uシリーズのベースクロックの詳細な違いは、下の表を見ていただければ分かります。
HX(ベースクロック55W)以外の詳細な型番は、次のようになっています。
細かい表なので、クリックして拡大してご覧になってみてください。
第12世代Core搭載パソコンなのか、実際に確認する
では、Amazonのページで実際にチェックしてみましょう。
富士通 FMV LOOX WL1/G (Win11 13.3型 Core i7 16GB 1TB SSD)
拡大して見てみてください。
赤く囲ったCPUの部分を見ていただくと、「Corei7-1250U」と書いてあります。
「Corei7-12XX」となっていて、ハイフンのあとの4桁の数字で、最初の2桁が世代を表しますので、第12世代だと分かります。
「Corei7-11XX」となっていれば、第11世代です。
「Corei7-10XX」となっていれば、第10世代です。
そして、「Corei7-1250U」なので、先ほどのCPUの一覧表で確認すると、モバイルパソコン向けのCPUで、Pコアが2個、Eコアが8個のモデルだと分かります。
ただし、同じクラスでベースクロックが1.7GHzの「Corei7-1255U」のCPUがあるのですが、ベースクロックの低い1.1GHzの「Corei7-1250U」を搭載することで、消費電力を抑えていることが分かります。
もう1台確認しましょう。
こちらです。
富士通 FMV LIFEBOOK WA3/G2(Win11 15.6型 Corei7 32GB SSD512GB Blu-ray)
拡大してCPUを確認すると、「Corei7-1260P」と書いてあります。
「Corei7-12XX」なので、第12世代Coreのパソコンだと分かります。
また、「P」の文字が最後に入っているので、高性能パソコン向け(スタンダードな据え置き型のノートパソコン用)だと分かります。
CPUの一覧表で確認すると、「Corei7-1260P」は、高性能パソコン向けのCPUで、Pコアが4個、Eコアが8個のモデルだと分かります。
そのうえで、さらに詳細に見ていくと、PシリーズにはCore i7が3種類ありますが、一番低い「Core i7-1260P」を採用していることが分かります。
他のCore i7を搭載するとコスト面で高くなるので、一番安価な「Core i7-1260P」を搭載することで、「Core i7搭載」と歌えるからかもしれません。
富士通だけに限らず、他のメーカーも「Core i7-1260P」を多く採用しているのは、そのような理由があるからでしょう。
このように、実際に搭載しているCPUを具体的に確認することができました。
もうこれで大丈夫ですね。
ノートパソコン用の第12世代Coreのまとめ
いかがだったでしょうか。
これでノートパソコン用の第12世代Coreがすごいことが分かりましたか。
次から次と新しいパソコンが発売されるので、買い替えどきが分からない。
確かに分かりにくいです。
なので、まずは、第12世代かどうかを確認してから、できる限り第12世代Core搭載のパソコンを購入しましょう。
ただ、第12世代Core搭載のノートパソコンは、2022年8月の段階では高価です。
かといって、第11世代Core搭載のノートパソコンを購入するのは、もったいないと思います。
だって、1.5倍の性能差ですから。
1.5倍は大きいですよ。
なので、対策としては、2つです。
第12世代Coreのノートパソコンがお手頃価格になるまで購入を先に伸ばす
または
何とかお金を工面して、第12世代Core搭載のノートパソコンを購入する
このどちらかです。
ノートパソコンは、1度購入すると平均で5年から6年は使うと言われています。
5年から6年もの長期間にわたって使うのであれば、なおさら今回のパソコン購入は、第12世代Core搭載のノートパソコンを購入するのが良いと思います。
第12世代より前のCPUを搭載した新品のノートパソコンを新規に購入して5年から6年程度使うのか、1.5倍も速い処理能力の第12世代Coreを搭載したノートパソコンを購入して5年から6年程度使うのか。
答えは、自ずと出てくることでしょう。
逆に、第13世代Coreのノートパソコンが発売された時には、第12世代Coreのノートパソコンを購入してもコストパフォーマンスは高いでしょう。
このあたりも、よく考えて、購入されるノートパソコンを選定していきましょう。
ということで、「ノートパソコン用の第12世代Core(2022年)の仕組みを、じっくりと詳細に確認して理解した話」でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今回の記事が、皆さんに少しでもお役にたてれば幸いです。
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