こんにちは、トトロ兄さんです。
今回は、SSDのランダムアクセスの話です。
SSDの購入ポイントは、ランダムアクセスかな?
SSDを購入する際に、どうしても気になるのが「連続の読み込み速度」と「連続の書き込み速度」です。
ただ、実際に使用する場合、SSDのデータの中で、更新せずに読み込みだけするデータと更新をするデータに分かれます。
問題になるのは、更新を頻繁にするデータです。
実は、フラッシュメモリは個々のセルの上書きができません。データの書き換えを行う場合は、ブロック単位でデータの書き換えを行います。
下の図をご覧ください。
フラッシュメモリは上書きできないので、書き換えの時にはブロック単位で作業領域にコピーし、そこで書き換えて、空きブロックに書き戻します。
1番から5番までの作業を、電気の流れで瞬時にこの作業をしているのです。
ただし、ブロック単位で書き換えることになっているので、空き容量が不足すると速度が低下してしまいます。空きブロックがない場合には、次のような作業を行います。
空きブロックがない場合は、ブロック単位でしか消去できないので、書き換えたいデータを作業領域にコピーした後、書き換えを行って、元のブロックを丸ごと消去して、書き換えたデータを元のブロックに戻すという作業を行います。元のブックを丸ごと消去するという手間が増えるため、速度は低下します。
速度が持ち味のSSDの場合には、速度を維持するため、常にある程度の空き容量を確保している状態で使用するのがベストだと分かります。
また、Windows10やWindows11では、SSDに対して事前に消去処理を行うことで速度低下を防ぐ「トリム」という機能がついています。
これらの作業が早ければ早いほど、体感速度も速くなります。
その指針が、ランダムアクセスの数字です。
よって、「連続の読み込み速度」と「連続の書き込み速度」も大切ですが、「ランダムアクセス」のスピードを重視した方が、普段使いでは体感的に早く感じます。
そこで、今回、WD 850X、Samsung 990Pro、Seagate FireCuda530のランダムアクセスを比較することにしました。
SSD 1TB のランダムアクセスを確認する
最初に、1TBから確認します。
メーカー | WD | Samsung | Seagate |
製品名 | 850 X 1TB | 990 Pro 1TB | FireCuda 530 1TB |
連続読出 | 7300MB/s | 7450MB/s | 7300MB/s |
連続書込 | 6300MB/s | 6900MB/s | 6000MB/s |
4Kランダム読出 | 800,000 IOPS | 1,200,000 IOPS | 800,000 IOPS |
4Kランダム書込 | 1,100,000 IOPS | 1,550,000 IOPS | 1,000,000 IOPS |
MTBF | - | 150万時間 | 180万時間 |
耐久性評価 | 600TBW | 600TBW | 1275TBW |
保証期間 | メーカー5年 | メーカー5年 | メーカー5年 |
予想価格 | 22000円 | 25000円? | 19000円 |
※ 4Kランダムは、QD32の数字 |
連続読出と連続書込は、すべての製品が7000MB/sと6000MB/sを超えています。
正直なところ、そんなに変わらないでしょう。
あとは、実際の体感速度に影響するランダムアクセスの数値です。
「Samsung SSD 990 Pro 1TB」はスピードが速いです。
Samsungが他のメーカーに比べて何倍くらい早いか計算してみました。
4Kランダム読出
WD・Seagate 1,200,000 IOPS ÷ 800,000 IOPS = 1.50倍
4Kランダム書込
WD 1,550,000 IOPS ÷ 1,100,000 IOPS = 1.41倍
Seagate 1,550,000 IOPS ÷ 1,000,000 IOPS = 1.55倍
です。
ちょっと大きな差ですね。
2TB SSDのランダムアクセスを確認する
次に、2TBを確認します。
メーカー | WD | Samsung | Seagate |
製品名 | 850 X 2TB | 990 Pro 2TB | FireCuda 530 2TB |
連続読出 | 7300MB/s | 7450MB/s | 7300MB/s |
連続書込 | 6600MB/s | 6900MB/s | 6900MB/s |
4Kランダム読出 | 1,200,000 IOPS | 1,400,000 IOPS | 1,000,000 IOPS |
4Kランダム書込 | 1,100,000 IOPS | 1,550,000 IOPS | 1,000,000 IOPS |
MTBF | - | 150万時間 | 180万時間 |
耐久性評価 | 1200TBW | 1200TBW | 2550TBW |
保証期間 | メーカー5年 | メーカー5年 | メーカー5年 |
予想価格 | 45000円 | 50000円? | 38000円 |
※ 4Kランダムは、QD32の数字 |
ランダムアクセスの数字を比較しましょう。
やはり、「Samsung SSD 990 Pro 2TB」はスピードが速いです。
Samsungが他のメーカーに比べて何倍くらい早いか計算してみました。
4Kランダム読出
WD 1,400,000 IOPS ÷ 1,200,000 IOPS = 1.17倍
Seagate 1,400,000 IOPS ÷ 1,000,000 IOPS = 1.40倍
4Kランダム書込
WD 1,550,000 IOPS ÷ 1,100,000 IOPS = 1.41倍
Seagate 1,550,000 IOPS ÷ 1,000,000 IOPS = 1.55倍
です。
ランダムの書き込みスピードは、1TBと同じです。
4TB SSDのランダムアクセスを確認する
最後に、4TBを確認します。
メーカー | WD | Samsung | Seagate |
製品名 | 850 X 4TB | 990 Pro 4TB | FireCuda 530 4TB |
連続読出 | 7300MB/s | 7450MB/s | 7250MB/s |
連続書込 | 6600MB/s | 6900MB/s | 6900MB/s |
4Kランダム読出 | 1,200,000 IOPS | 1,400,000 IOPS | 1,000,000 IOPS |
4Kランダム書込 | 1,100,000 IOPS | 1,550,000 IOPS | 1,000,000 IOPS |
MTBF | - | 150万時間 | 180万時間 |
耐久性評価 | 2400TBW | 2400TBW | 5100TBW |
保証期間 | メーカー5年 | メーカー5年 | メーカー5年 |
予想価格 | 92000円 | 100000円? | 100000円 |
※ 4Kランダムは、QD32の数字 |
ランダムアクセスの数字を比較しましょう。
「Samsung SSD 990 Pro 4TB」が速いのは変わりません。
ランダムアクセスに関しては、2TBと同じ数字です。
4Kランダム読出
WD 1,400,000 IOPS ÷ 1,200,000 IOPS = 1.17倍
Seagate 1,400,000 IOPS ÷ 1,000,000 IOPS = 1.40倍
4Kランダム書込
WD 1,550,000 IOPS ÷ 1,100,000 IOPS = 1.41倍
Seagate 1,550,000 IOPS ÷ 1,000,000 IOPS = 1.55倍
Seagateの連続読取が2TBに比べて遅くなっています。
SSD ランダムアクセスのまとめ
スペックをみた場合、ランダムアクセスにおいては、「Samsung SSD 990 Pro」の数字が圧倒的に良い結果となりました。
2022年10月発売ですね。
楽しみです。
ただ、ここで気になることを一つ。
カタログスペックでは、確かにSamsungの数字は良いけれど、実際はどうなの?
自分の環境ではどうなの?
そんな素朴な疑問です。
気になる方は、情報関係のサイトのベンチマーク結果を確認すればよいでしょう。
ただ、そのベンチマークもパソコンの構成などによって微妙に変わってきますので、あくまで参考程度です。
実際には、自分のパソコンに組み込んで試してみないとなんとも言えません。
ただ、個人的には、ここ数年のSSDの情報を見ていると、メーカーのいう数字はほぼ間違いないなと思うのです。
あくまで、個人的にそう思うのです。
メーカーのスペックがそのまま自分の環境で出るかどうか分からないけれど、レビューなどでも実際に数字としてほぼ近い数字が出ている。
カタログスペックどおりである。
であれは、ベンチマークなどももちろん参考にするけれど、これまでのレビューでも公表どおりのスペックになっているので、メーカーが言っているスペックを信頼して判断すればいいのでは?
そう思うのです。
以上から、ランダムアクセスの数字でも「Samsung SSD 990 Pro」の性能はバッチリなので、PCIe5.0のSSDが発売されるまでは、「Samsung SSD 990 Pro」を最優先に選んでおけば間違いないでしょう。
ということで、「WD 850X、Samsung 990Pro、Seagate FireCuda530のランダムアクセスを容量別に比較した話」でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今回の記事が、皆さんに少しでもお役にたてれば幸いです。
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