こんにちは、トトロ兄さんです。
今回は、「DeskMiniユーザー視点でのNPUの価値」についての話です。
はじめに
「ASRock DeskMini B860」が2025年の夏に発表されて、半年遅れの2026年1月30日にやっと発売になりました。
新しい「ASRock DeskMini B860」が発売されると、どうしてもウキウキしてしまいます。
気になったので、いくつかの記事を書きました。
搭載するCPUも第13・14世代から、新しいIntel Core Ultraシリーズ(Arrow Lake)へと変わります。
Core Ultra 9 285やCore Ultra 5 235など、名前も一新されましたが、一番の注目はやはりAI処理を行うNPUが搭載されたことでしょう。
でも、デスクトップPCにAI機能なんて本当に必要?前の世代と何が違うの?と疑問に思っている方も多いはずです。
今回は、小型PC好きの視点で、このNPUがDeskMiniにどんな恩恵をもたらすのかをまとめてみました。
Core UltraのAI処理とは具体的にはどのようなこと?13や14世代と大きく異なることは何?
これまでの第13世代や第14世代との最大の違いは、NPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)という、AIの計算を専門に行う回路がCPUの中に初めて組み込まれたことです。
具体的に「AI処理」で何が変わるのか、そして第13・14世代と何が大きく異なるのかを、解説します。
まず、AI処理とは何かについてです。
これまでの第13世代や第14世代のCPUには、AI専用の回路はありませんでした。そのため、AIを使った機能(例えば画像の自動修正など)を使うときは、計算全般を行うCPUや、映像処理を行うGPUが代わりにその作業をしていました。これは、本来別の仕事があるスタッフが、残業してAIの仕事も手伝っているような状態で、電力をたくさん使い、パソコンも熱くなりやすかったです。
今回登場したCore Ultra(285, 265, 235, 225など)には、NPUというAI処理専門のスタッフが中に住んでいます。AIに関わる計算はNPUに任せることで、CPUやGPUは本来の仕事(アプリを動かしたり、画面を綺麗に表示したりすること)に集中できるようになりました。
具体的なメリットとしては以下の点が挙げられます。
1つ目は、Web会議や通話の快適さです。
ZoomやTeamsなどで背景をぼかしたり、マイクの雑音(ノイズ)を消したりする機能にAIが使われています。これをNPUが担当することで、Web会議をしながら別の作業をしてもパソコンが重くなりにくくなります。
2つ目は、写真や動画編集の効率化です。
写真編集や動画編集ソフトでも、最近はAI機能が増えています。例えば、写真から不要なものを消したり、画質を良くしたりする機能です。これらをNPUが補助することで、よりスムーズに、少ない電力で処理できるようになります。
第13・14世代との大きな違いについてです。
最大の違いは「省電力」と「低発熱」です。第13・14世代は非常に高性能でしたが、その分、電気を多く使い、熱くなりやすい傾向がありました。新しいCore Ultraは、AI処理を効率化するだけでなく、チップ全体の設計が省エネ重視に変わりました。
特に、DeskMiniのような小型PCを組む場合、この「熱くなりにくい」という特徴は、ファンの音が静かになったり、ケース内の熱がこもりにくくなったりするため、第13・14世代よりも扱いやすくなっていると言えます。
まとめると、Core Ultraは単に計算が速くなっただけでなく、「AI専用の回路を持っていて、賢く省エネで動作する」点が、第13・14世代との決定的な違いです。
ただし、一つだけ注意点があります。これらの新しいCPUは形(ソケット)が変わってしまったため、これまでのDeskMini B760には取り付けることができません。もしこれらを使う場合は、DeskMini B860などで新しいパソコンを組む必要があります。
NPU搭載パソコンで恩恵を受ける具体的な使用用途や作業内容は?
NPUが搭載されたパソコンを使うことで、普段の生活や趣味の作業でどのような恩恵があるのか、いくつか具体的な場面をご紹介します。
まず一つ目は、Web会議やビデオ通話の品質向上と省エネです。
Windows 11には、スタジオエフェクトという機能が標準で備わっています。これは、カメラに映る背景を自然にぼかしたり、視線をカメラに合わせているように補正したり、周囲の雑音を消したりする機能です。これまではZoomなどのアプリ側で処理していましたが、NPUがこれらを肩代わりすることで、パソコン全体の動作が軽くなります。特に、DeskMiniのような小型パソコンでは、会議中にファンが唸りを上げにくくなり、静かな環境で会話ができるという大きなメリットがあります。
二つ目は、写真編集での「魔法のような」修正機能です。
例えば暗い場所で撮った写真にザラザラとしたノイズが入ってしまったことはないでしょうか。最新の写真編集ソフト(Adobe Lightroomなど)では、AIを使ってこのノイズだけをきれいに消す機能があります。また、外出先で撮った写真に余計なゴミや人が写り込んでしまった場合、それをなぞるだけでAIが消してくれる機能もあります。NPUがあると、こうした処理が待ち時間なくサクサク進むようになります。夜間撮影のような暗いシーンでも、あとから画質を調整する際に役立つはずです。
三つ目は、動画の画質向上です。
YouTubeや昔の動画など、画質があまり良くない映像を見る際、AIがリアルタイムで高画質に補正してくれる「VSR(ビデオ・スーパー・レゾリューション)」という技術があります。NPUがこの処理を手助けすることで、NetflixやAmazonプライム・ビデオなどで古い映画やドラマを見る時も、よりくっきりとした映像で楽しめるようになります。
四つ目は、パソコン操作の快適さと静音性です。
これが一番地味ですが、実は一番大きな恩恵かもしれません。ウイルス対策ソフトのバックグラウンドスキャンや、写真アプリが裏で「人物」や「風景」ごとに写真を自動整理する処理など、私たちが気づかないところでAIは動いています。NPUがこれらを裏方として静かに処理してくれるおかげで、ワードで文章を書いたり、調べ物をしたりする時に、パソコンが重くならず、ファンの音も静かなまま作業に集中できます。
つまり、NPUの恩恵は「何か特別な新しいことができる」というだけでなく、「いつもの作業がより速く、より静かに、より高品質になる」という点にあります。特に小型で静音性を重視されるユーザーにとっては、非常に相性の良い進化だといえます。
ローカルアプリや機能に大きく依存する?AIとの会話でのNPUの効果は?AIはまだ早い?
NPUの恩恵があるかどうかは、その人が使っているソフトが、パソコンの中(ローカル)でAI機能を使っているかどうかで決まります。
まず、ChatGPTやGeminiなどのAIとの会話は、これはNPUが搭載されていても反応速度は変わりません。ChatGPTやGeminiなどのような大規模なAIサービスは、私たちのパソコンの中ではなく、Googleなどの巨大なサーバー(クラウド)で計算を行っているからです。こちらのパソコンは、入力した文字を送って、返ってきた答えを表示しているだけなので、パソコンの性能よりもインターネット回線の速さの方が重要になります。
次に、2026年2月時点での必要性についてです。
普段、ExcelやWordで文章を作ったり、Webサイトを見たり、会社のシステムに入力したりするだけの業務であれば、今の時点ではNPUがない第13世代や第14世代のCPUでも全く問題ありませんし、体感速度もほとんど変わりません。
ただ、新しい製品が好きな方や、これからパソコンを新調する方にとっては、少し事情が違います。
今はまだ使い道が少なくても、Windows自体がどんどんAI機能を組み込み始めています。これから出る新しいバージョンのWindowsやアプリは、NPUがあることを前提に作られるものが増えてくるはずです。
今はまだなくても困らないけれど、これから先の3年、5年と長く快適に使いたいなら、NPU付きを選んでおくと安心です。スマホでいうと、今は使わない機能かもしれないけど、将来便利なアプリが出た時に対応できる最新機種を買っておくようなものなのです。
動画編集ソフトのTMPGEncなどが今後NPUに対応してくれば、書き出し時間が短くなったり、プレビューが軽くなったりする恩恵を受けられる可能性が高いです。DeskMini B860などで組む際は、そのあたりも楽しみの一つになります。
DeskMini B860でパソコンを作る恩恵
DeskMini B860でパソコンを組む場合、AI機能そのものよりも、実はもっと身近な恩恵の方が大きいかもしれません。
特にDeskMiniのような小型のケースでは、Core Ultraシリーズの省電力性が非常に大きな武器になります。
これまでの第13世代や第14世代のCPUは、性能は高いものの発熱もすごく、DeskMiniのような小さな筐体ではファンの音が大きくなったり、熱がこもりやすかったりするのが悩みでした。
しかし、今回のCore Ultra(Arrow Lake)は、NPUが裏方の仕事を肩代わりしてくれるおかげで、CPU全体の発熱が抑えられています。つまり、同じような作業をしていても、これまでのCPUより熱くなりにくく、ファンも静かに回る可能性が高いです。
動画編集をしながら文章等を書くような時でも、パソコンが静かで快適に動いてくれる。これこそが、DeskMini B860で組む最大のメリットになります。
AIの恩恵は魔法のような機能というよりは、縁の下の力持ちとして、パソコンをより静かに、より長く快適に使えるようにしてくれるもの、と考えていただければ間違いありません。
DeskMini B860でパソコンを組み立てたくなりますね。
CoreUltra65W無印は、NPU搭載が分かりにくいなぁ
みんなが感じている、その感覚は決して間違っていません。むしろ、今のIntelの宣伝の仕方を考えると、そう感じてしまうのが自然です。
結論からいうと、Intel Core Ultra 9 285、Core Ultra 7 265、Core Ultra 5 235、Core Ultra 5 225 の4種類すべてに、間違いなくNPUは搭載されています。
では、なぜノートPCのように大きく宣伝されていないのか、デスクトップ版では存在感が薄いのか、その理由は主に2つあります。
1つ目の理由は、NPUの性能の差です。
最近テレビやネットで話題になっているAI PCや、マイクロソフトが提唱するCopilot+ PCという基準があります。これらを満たすには、NPUの処理能力が非常に高い必要があります。ノートPC向けの最新CPU(Lunar Lakeなど)は、この基準を満たすために非常に強力なNPUを積んでいます。
一方で、デスクトップ版(Arrow Lake)のNPUは、性能がそこまで高くありません。具体的には、ノートPC版の3分の1程度の能力しかありません。そのため、Intelとしても大々的にAI性能をアピールしにくいという事情があります。
2つ目の理由は、デスクトップPCの役割の違いです。
デスクトップPCを使う人の多くは、NVIDIAのGeForceなどの高性能なグラフィックボード(GPU)を積んでいます。重たいAI処理は、NPUではなく、この強力なGPUに任せれば良いという考え方があるため、デスクトップ版のCPUではNPUはあくまで補助的な役割にとどめられています。
しかし、ここで重要なのが、DeskMiniのような小型PCでの運用です。
DeskMiniでは、大型のグラフィックボードを積むことができません。そのため、性能が控えめとはいえ、NPUが搭載されていることの意味は非常に大きいです。
Web会議でのノイズ除去や背景ぼかし、軽い写真編集の補助といった作業は、この控えめなNPUでも十分にこなせます。むしろ、DeskMiniのような環境でこそ、この目立たないNPUが一番輝くと言っても過言ではありません。
65Wの無印モデル(285、265、235、225)には、すべてしっかりとNPUが入っています。DeskMini B860で組む際には、その恩恵をしっかり受けることができます。
ノートPC版の3分の1程度の能力!内蔵GPUが補完?今後は?
「がっかり感」、すごく分かります。
数字だけ見ると「えっ、デスクトップの方が弱いの?」と思ってしまいます。せっかくの最新パーツなのに、なぜそんな仕様なのか。
実はこれには、「適材適所」というIntelの明確な戦略があります。決して「デスクトップ版が手を抜かれている」わけではありませんので、その理由を紐解いて、安心していただけるようご説明します。
1. なぜデスクトップ版のNPUは「控えめ」なのか?
結論から言うと、デスクトップでは「重たいAI処理はGPU(グラフィック)が担当するから」です。
・ノートPC(Lunar Lakeなど)の事情:
ノートPCは「バッテリー持ち」が命です。電気を食うGPUをできるだけ動かしたくないため、「NPUを超強力にして、AI処理を全部NPUで済ませよう」という設計になっています。だからNPUが最強なんです。
・デスクトップ(Arrow Lake)の事情:
デスクトップはコンセントから電気をとれます。そのため、重たいAI処理は、パワーのあるGPU(内蔵グラフィック含む)に任せたほうが圧倒的に速いのです。
そのため、デスクトップ版のNPUは「あえて控えめ」にしてあります。その役割は「重い処理」ではなく、「Web会議の背景ぼかしやノイズ除去のような、24時間動いていても電気を食わない『ながら作業』」に特化させているのです。
2. 内蔵GPUが補完しているのですか?
その通りです!ここが一番重要なポイントです。
Core Ultra(200Sシリーズ)は、NPUこそ控えめですが、内蔵GPU(Intel Graphics)のAI処理能力は、前の世代に比べて飛躍的に向上しています。
・軽い作業(Zoomの背景など): 省エネな「NPU」が担当(CPUを休ませるため)。
・重い作業(写真編集のノイズ除去や動画の高画質化): パワフルな「内蔵GPU」が担当。
つまり、DeskMiniの中では、「省エネ係のNPU」と「力持ちのGPU」がタッグを組んで作業を分担します。トータルで見れば、以前のパソコンとは比べ物にならないほどAI処理能力は高まっています。
3. 今の作業レベルでは必要ない?
通常の用途(動画編集、写真加工、Webブラウジング)であれば、今の「控えめNPU + 強力な内蔵GPU」の組み合わせで十分すぎる恩恵があります。
現状、NPU単体で「40 TOPS(処理能力の単位)」以上が必要と言われるのは、マイクロソフトの「Copilot+ PC」という特殊な機能(例:過去の操作を全て記憶して検索できる『リコール機能』など)を使う場合だけです。
通常の動画編集ソフトや写真編集ソフトは、NPUよりもGPUのパワーを使うように設計されていることが多いので、今の構成で全く問題ありません。
4. 今後のデスクトップCPUのNPUは強化される?
はい、間違いなく強化されていきます。
次の世代(Panther Lakeなどと言われています)以降では、デスクトップ版でもNPUの性能が上がり、Copilot+ PCの基準を満たすようになると予想されています。
ただ、それは「今のArrow Lakeがダメ」ということではなく、「AI機能がOSの根幹にもっと深く関わるようになる未来」に向けた進化です。
結論として:
DeskMini B860で組むパソコンは、「重い処理は進化したGPUで、軽い常駐処理はNPUで」という、デスクトップらしい合理的な分業ができる素晴らしいマシンになります。数字上のNPU性能が低くても、実際の快適さは間違いなく向上しますので、自信を持って選んでいただいて大丈夫です。
要点を整理する(まとめ)
今回は、Core UltraのAI処理って何するの?というぼんやりと頭に浮かんだことから整理してみました。
特に、DeskMini B860に取り付けるCore Ultra はAI処理専用のNPUが搭載されているからです。
もう一度、簡単に整理します。
NPUとは何か?
一言で言えば、AIの計算を専門に行う新しいスタッフです。
これまでのCPUは、文章作成も、動画再生も、AI処理も、すべてメインの頭脳であるCPUやGPUが兼任で行っていました。いわば、本来の仕事を抱えたスタッフが、残業してAIの仕事も手伝っているような状態です。これでは電気も食うし、パソコンも熱くなります。
Core Ultraからは、AI処理専門のNPUというスタッフが加わりました。AIの仕事は彼らに任せることで、CPUたちは本来の仕事に集中でき、結果としてパソコン全体がスムーズに、そして省エネで動くようになったのです。
デスクトップ版のNPUは性能が低いという噂について
スペックに詳しい方は、デスクトップ版(Arrow Lake)のNPU性能が、ノートPC版(Lunar Lake)より低いことをご存知かもしれません。
実はこれ、手抜きではなく適材適所な設計なのです。
バッテリーで動くノートPCは、NPUだけで全てをこなす必要がありますが、コンセントから電力を取れるデスクトップPCは、重たい処理を強力なグラフィック機能(GPU)に任せることができます。
つまり、Core Ultra搭載のDeskMiniでは、Web会議の背景ぼかしのような軽い常駐作業は省エネなNPUが担当し、動画編集のような重いAI処理はパワーアップした内蔵GPUが担当する、という見事なチームプレイが行われるのです。
DeskMiniユーザーにとっての最大のメリット
実は、AI機能そのものよりも、この仕組みがもたらす副作用こそが、DeskMiniにとって最大のメリットです。
それは、発熱の低減と静音性です。
NPUが裏方の仕事を肩代わりしてくれるおかげで、CPU全体の発熱がこれまでの第13・14世代に比べて抑えられています。
熱がこもりやすい小型のDeskMiniにおいて、熱くならないというのは正義です。
Web会議をしながら資料を作ったり、裏で写真の整理をさせたりしても、ファンが唸りを上げにくく、静かな環境で作業ができるのです。
まとめ
新しいCore UltraとDeskMini B860の組み合わせは、魔法のようなAI機能が使えるというだけでなく、いつもの作業がより静かに、より快適になるという、縁の下の力持ち的な進化を遂げています。
これから長く使うパソコンとして、NPU搭載モデルを選ぶ価値は十分にあります。
Core UltraとDeskMini B860の組み合わせの新パソコン、ぜひ組み立てたいですね。
というこで、「Core UltraのAI処理って何するの?DeskMini B860のために調べてわかったこと」でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今回の記事が、皆さんに少しでもお役にたてれば幸いです。
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